浄土真宗本願寺派 光寿山 正宣寺

葬儀

葬儀(そうぎ)(お葬式(そうしき))とは、葬場で故人のご遺族等が集まって行う勤行(ごんぎょう)です。

葬送儀礼の流れ

故人を(ほうむ)るにあたって行われる、一連の法要や儀式のことを葬送儀礼(そうそうぎれい)といいます。いずれも故人の往生をご縁として仏法に()い、故人も(のこ)った方も阿弥陀(あみだ)さまにひとしく(おさ)め救いとられている恩徳(おんどく)報謝(ほうしゃ)する仏事です。

1.ご家族等が亡くなられたら…

所属寺院がある場合は、宗派・寺院名・連絡先を把握しておき、可能であれば、事前に住職と葬儀について、相談しておきましょう。

ご家族等が亡くなられたら…

2.寺院へのご連絡・ご相談

大切な儀式を依頼するわけですから、信頼できる寺院を探すことが重要です。葬儀社からも紹介を受けることができますが、手数料を取られないことの確認をしましょう。

※当寺門信徒の方が公益社 天神橋会館または花熊フローベアホールでの葬儀を希望される場合は、葬儀社様へ直接ご依頼いただいても差し支えございません。

寺院へのご連絡・ご相談

3.葬儀社へのご依頼

良い葬儀社とは、ご遺族の気持ちを「聞く力」を持ち、限られた予算の中で、故人の尊厳を損なうことなく、様々な配慮ができるところといえるでしょう。

あらかじめ葬儀社の情報を調べておくのも大切です。ただしその際、インターネットの口コミや広告の情報だけに頼るのは危険です。

葬儀社へのご依頼

4.臨終(りんじゅう)勤行

本来は命終に臨む本人が、阿弥陀さまへの報恩感謝の儀式として行う勤行ですが、多くの場合、命終の後に故人に代わって僧侶と故人のご家族等でお勤めいたします。勤行はご本尊の前で行い、その場所が故人の枕元にあたる場合が多いことから、枕経といわれることもあります。ご希望により、通夜勤行と併せてお勤めする場合もあります。

次第

  • 仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)
  • 念仏
  • 回向(えこう)願以此功徳(がんにしくどく)…」

5.寺院・葬儀社との打ち合わせ

どのような葬儀にするか寺院・葬儀社等とよく相談し、葬儀本来の意義を損なうことのないようにしましょう。

葬儀内容を打ち合わせるとき、葬儀社にご遺族の意思と予算をきちんと伝えましょう。特に必要のないオプション等は要注意です。

故人生前の葬儀に関する要望にしばられすぎないようにしましょう。大切なのはご遺族の思いです。

寺院・葬儀社との打ち合わせ

6.通夜(つや)勤行

葬儀の前夜に、ご遺族等が仏前に集まって行われる勤行です。

次第

  • 正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)(行譜)
  • 念仏・和讃「弥陀成仏(みだじょうぶつ)のこのかたは…」以下六首
  • 回向「願以此功徳…」
  • 法話
  • 御文章(ごぶんしょう)拝読

7.出棺(しゅっかん)勤行

本来は故人の(ひつぎ)をご自宅から葬場へ送り出す際に、ご自宅に安置されているご本尊を前に行う勤行ですが、多くの場合、葬場勤行と併せてお勤めいたします。

次第

  • 帰三宝偈(きさんぽうげ)
  • 短念仏
  • 回向句「我説彼尊功徳事(がせびそんくどくじ)…」

8.葬場(そうじょう)勤行

葬場でご遺族等が集まって行われる勤行です。葬場勤行は「葬儀」ともいいますが、浄土真宗では「告別式」とはいいません。本願寺派では、蓮如(れんにょ)上人の頃から「正信念仏偈」の勤行が用いられています。

次第

  • 三奉請(さんぶじょう)
  • 表白(ひょうびゃく)
  • 正信念仏偈
  • 短念仏
  • 念仏
  • 和讃「本願(りき)にあひぬれば…」「如来浄華(にょらいじょうけ)聖衆(しょうじゅ)は…」
  • 回向「願以此功徳…」

9.火屋(ひや)勤行

火葬場で火葬の前に行う勤行です。

次第

  • 重誓偈(じゅうせいげ)
  • 短念仏
  • 回向「願以此功徳…」

10.還骨(かんこつ)勤行

収骨の後に行う勤行です。初七日の中陰(ちゅういん)法要を繰り上げて併修する場合もあります。

次第

  • 仏説阿弥陀経
  • 念仏
  • 回向「願以此功徳…」
  • 法話
  • 御文章拝読

本来は納棺時に納棺勤行、収骨時に収骨勤行を行います。(ご希望によりお勤めいたします)

お焼香の作法

浄土真宗本願寺派での正しいお焼香(しょうこう)の作法は、お香を(ひたい)におしいただかず、回数は1回です。

法名・院号

生前に帰敬式(ききょうしき)を受式されていない場合は、住職が本願寺住職(ご門主さま)に代わって棺の中の故人に対して剃髪式(ていはつしき)(おかみそり)を行い、法名(ほうみょう)を授与いたします。浄土真宗では法名といい、戒名(かいみょう)とはいいません。院号(いんごう)は宗門より授与いただくものです。

仏事あれこれ「法名・院号」

浄土真宗では行わない風習

浄土真宗での葬儀は、故人のために善事を行う追善回向(ついぜんえこう)の仏事や、僧侶が引導を渡す儀式ではなく、ご遺族等が相集い、お念仏を申して故人に哀悼(あいとう)の意を表しつつ、人生無常の道理を聞法して、仏縁を深める報謝の仏事です。

  • 葬儀を行う日に吉凶はありません。六曜は根拠のない迷信であり、仏教とは無縁の考えなので、友引の日に葬儀を行うことは全く問題ありません。
  • 故人に六文銭(ろくもんせん)を入れた頭陀袋(ずだぶくろ)をもたせ、白い旅装束を着せる等の旅支度はいたしません。冥土(めいど)に旅立たれ永遠に別れるのではなく、浄土に往生され(往き生まれ)再び浄土であえるからです。
  • 棺の上に小刀(守り刀)等を置く必要はありません。小刀を入れる錦の袋の紐が、棺の上にかける七条袈裟(しちじょうげさ)の組紐(修多羅(しゅたら))に似ているために代用することもありません。
  • 荘厳壇(しょうごんだん)(祭壇)に、ご飯を盛りつけお箸を突き立てたお茶碗(枕飯(まくらめし)一膳飯(いちぜんめし))は供えません。また、出棺の時に、そのお茶碗を割ったりはしません。故人が愛用された品は、ご遺族等が大切に保管するか、お墓等に納めましょう。
  • 香炉(こうろ)の中にお線香(せんこう)は立てません。横に寝かせてお(そな)えします。荘厳壇(祭壇)前には、お線香用の香炉とは別に、お焼香用の香炉を用意します。弔問客には次々にお線香を立てていくのではなく、お焼香をしていただきましょう。
  • 清め塩は必要ありません。神道(神社)の神様が“けがれ”を嫌うことから、日本では慣例的に行われていることがありますが、仏教では死を“けがれ”とは受け止めないため、清めるという行為は行いません。

葬儀のしおり

浄土真宗本願寺派における葬送儀礼の流れや、葬儀をするにあたり後悔しないヒント等についてご説明しています。

葬儀のしおり「後悔しない葬儀」

いのちと死をみつめて

浄土真宗の葬儀の中で大切にされてきた「死を受け容れていく心」をテーマとして、大切な方を看取った人の話等を紹介しています。

『ごえん』vol.4「いのちと死をみつめて」

葬儀後にお勤めする法要儀式

中陰法要

中陰法要

故人が亡くなられてから49日の間、7日毎にお勤めいたします。

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入仏式(入仏慶讃法要)

入仏式(入仏慶讃法要)

ご本尊を新たにお迎えする時や、再びお迎えする時にお勤めいたします。

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よくあるご質問

葬儀(お葬式)に関して(Q&A)