お盆のお供え
浄土真宗では、地方により多少の相違はありますが、特にお盆だからといって特別なお供えはいたしません。それは、ご先祖は年に1度お盆だけに帰ってこられるのではなく、「南無阿弥陀仏」とお念仏を申すことによって、私の声の中に1年中いつでもどこでもお浄土から帰ってきておられるからです。
お供えは、仏さまやご先祖が召し上がるものではなく、仏さまへの感謝を表すものです。お供えするものとしては、ご飯を炊いたときに供えるお仏飯が第一。次にお餅、それから菓子、果物などです。生臭い物や、茶、酒などはお供えいたしません。水は、茶湯器、湯呑茶碗やコップなどには入れず、華瓶(水瓶を模した仏具)に入れ、樒などの青木を立てて、ご本尊に最も近い上の卓に飾ります。華瓶が無い場合は、水をお供えする必要はありません。
また、他宗のように霊魂が帰ってくるとは考えないため、茄子ときゅうりで作る精霊馬や、お膳をお供えすることもいたしません。
お盆や法事等の時に立派なお供えをするのも結構ですが、簡単でも毎日心のこもったお供仕が大切です。
供物台としては、正式には八角形または六角形の供笥を用います。高杯は、真中が少し盛り上がっていますので、果物などをのせるのには不安定です。
仏具の配置については、大きな仏壇から小さな仏壇まで大きさにより、正式、略式といろいろな飾り方があります。最も略式でも仏飯器、花立て、香炉、ろうそく立て、りんは必要です。