浄土真宗本願寺派 光寿山 正宣寺

大阪の町と本願寺

 光陰矢の如しと言いますが、今年も早や報恩講(ほうおんこう)のご案内を差し上げる頃となりました。報恩講をお勤めするようになって10年になり、その外の法要にも毎回30人位がご参詣になっております。このことは大変に有り難いことですが、まだ1度もご参詣になっておられないご門徒さんの数の方が、ずっと多いようであります。あれこれ考えることなく気軽にに1度お詣り下さるよう、重ねてご案内を申し上げます。

 今回も前回に続いて博物館のことを書きたいと思います。前回くわしくお知らせしました通り、現在、大阪城天守閣前の大阪市立博物館では、特別展として「大阪の町と本願寺」-蓮如上人500回御遠忌・「おおさか」誕生500年記念-が12月1日までの期間(月曜日は休館)で開催中です。

 展示品は、(1)約500年以上昔の蓮如上人のご木像・絵像、上人ご真筆の「南無阿弥陀仏」の六字名号、『御文章』やいろいろの書きもの、その他の蓮如上人にまつわるもの。(2)約430年前の織田信長と本願寺との10年におよぶ石山合戦にまつわる展示品、その時の本願寺第11代鎮如上人のご絵像や書状、秀吉の画像や信長二武将たちの書状、その他合戦絵伝や武具など。(3)寺内町 当時の浄土真宗の大きな寺院で、周囲に堀や土塀などをめぐらした広い境内の中に、職人・商人などの庶民の多数(石山本願寺などは2000軒以上あったと思われる)が居住しており、1つの都市を作っていました。その寺内町の代表的なものを、当時の図面と現在の地図・写真等でくらべて、時代の移り変わりがよくわかります。

 寺内町の当時の面影を残している代表的なものに、近鉄長野線富田林駅前の富田林寺内町があります。ここは京都の興正寺の別院の寺内町で、町は南北約300メートル、東西約400メートルの広さで、富田林市により保存地区条例が制定され、古い建物には規制と保護が加えられています。その中には国の重要文化財に指定されている旧杉山家(江戸時代に造り酒屋として栄えた寺内町最古の町家建築)があり、現在では一般に公開されています。1度お出かけ下さい。

 この外にも発掘出土品等、総計185点が展示されています。

 時候も良いですし、城内の各所には菊の愛好家により丹精こめられた作品が沢山に出展されております。

 更に天守閣も上部は修理も終わり、青銅の屋根と黒い壁に描かれた金色の虎が配色の妙を得て、あざやかに青空に輝いています。出展期間もあとわずかです。是非ともお出かけ下さい。なお、大阪市民で中学生以下と65歳以上の人は、年令を証明するものを持参すれば無料で入館できます。